まずは5万円!ゆるっと農業塾で最初の一歩【実践編】VOL.11 種まきの準備をしよう①
はじめての種まきで失敗しないために
直播とトレー、準備の考え方
種まきは、野菜づくりのスタート地点です。
どんなに良い畑や肥料があっても、最初の種まきがうまくいかなければ、その後の栽培は思うように進みません。
ただ種をまけば育つ、と思われがちですが、実はこの「まく前の準備」で、その後の管理のしやすさや育ち方は大きく変わります。
特に初心者の方が迷いやすいのが、畑に直接まく直播にするのか、それともトレーやポットを使うのかという選択です。
この選び方ひとつで、水やりの方法も、管理の手間も、失敗の出やすさも変わってきます。
ここでは、種まき前に知っておきたい基本的な考え方を、対話形式で整理していきます。
目次
畑にまく?トレーにまく?
さあ、いよいよ種まきだね。
まず考えたいのが、畑に直接まく「直播」にするか、トレーやポットを使うか。
直播のほうが、なんとなく簡単そうに見えるけど…。
そう思うよね。
トレーやポットは準備が必要だから、手間がかかりそうに感じる。
でも実は、管理のしやすさでいうとトレーやポットのほうが楽。
苗が一か所にまとまるから、水やりや生育の確認、温度管理がしやすいんだ。
簡単そうに見える直播の落とし穴
直播って、そんなに難しいの?
作物によるけど、意外と気を使うよ。
たとえば、ほうれん草。
種まき自体は簡単なんだけど、水のかかり方ひとつで発芽率が大きく変わる。
発芽がそろわないと、同じ日にまいたのに大きさがバラバラになってしまうこともある。
それだと管理も大変そうだね。
そう。
収穫のタイミングもずれるし、結果的に作業が増えてしまうんだ。
初心者を助けてくれるトレー・ポット栽培
その点、トレーやポットを使う育苗は、
・水やりのムラが出にくい
・発芽や生育がそろいやすい
・苗の様子がわかりやすい
初心者さんにとって、失敗しにくい環境をつくりやすい。
でも、トレー代とか土代はかかるよね。
たしかにかかる。
でも最初のうちは、「節約」より「安定」を優先したほうが、結果的に近道になるよ。
トレー・ポット、どんなサイズがいい?
トレーやポットって、大きさはどう選べばいいの?
ここも、よく悩むところだね。
小さいポットと大きいポット、それぞれに特徴がある。
まず小さいポット。
根の回りが早いから、早く定植でき場所が最小限ですむのががメリット。
場所を取らずに早く植えられるのは助かるね。
ただし、適期を逃すと注意。
苗が徒長したり、弱ってしまいやすい。
畑の準備がまだなのに、
「苗だけ大きくなっちゃった」という状態になりやすいんだ。
一方で、大きめのポット。
土の量が多い分、
定植まで少し余裕をもって育てられるのがメリットだね。
場所は余裕を持って確保しないとね。
ゆっくり育てられる感じだ。
場所を広く確保か…。
そう。ただし気をつけたいのが水管理。
大きいポットは土が多いぶん、水をかけすぎやすい。
表面が乾いて見えても、中はまだ湿っていることが多いから、
水のあげすぎには特に注意しよう。
根の回り具合はしっかり確認
もうひとつ大事なのが、根の回り具合。
小さいポットは、根が早く回る。
大きいポットは、根がポットの中を適度に回るまで、しっかり待つ。
どれくらいでOKなの?
ポットから苗を取り出したときに、
土がボロボロ落ちてくるようなら、まだ早い。
上が大きく育っていても、
根がしっかりしていない苗は、定植後の管理が一気に大変になる。
見た目だけで判断しちゃダメなんだね。
そう。
色々教えてくれるのは見えない根。
土、なんでもいいわけじゃない
畑の土をそのまま使うのはダメなの?
初心者のうちは、やめておこう。
畑の土には病気が残っていることもあるし、
肥料分がほとんど入っていないことも多い。
発芽直後の苗はとてもデリケート。
ここは市販の培養土や育苗用土を使うのが安心だよ。
水は「多め」より「ほどほど」
トレー・ポット育苗で一番多い失敗が、水のあげすぎ。
心配で、ついあげすぎちゃいそう…。
よくあるね。
でも表面が乾いて見えても、土の中は意外と湿っている時があるから注意が必要。
特に暑い時期は、
過湿で根が弱ったり、苗が蒸れてしまうこともあるから注意しよう。
野菜ごとに、向き・不向きがある
全部トレーで育てればいいわけじゃないんだよね?
そう。
直播が向いている野菜もあれば、
トレー育苗のほうが安定する野菜もある。
作物の性質だけでなく、
作る時期や畑の環境、どんな栽培をしたいかでも変わってくる。
直播の場合は、
間引きを前提にする作物かどうかを考えて、
最初からまく間隔を意識しておくことが大切だよ。
「種の性質」もあわせて考えよう
ここまで話してきた
トレー・ポット選びや水管理は、種の性質とも深く関係している。
種にも性格があるんだ。
あるある。
好光性・嫌光性・中間性。
これを知らないと、「芽が出ない」「そろわない」原因になることも多い。
次回はこのあたりを話すから、
今回の内容とあわせて読んでいこう。
種まき準備
種まきは、ただ種をまく作業ではありません。
直播かトレーか、ポットのサイズ、土と水の考え方。
これらを少し意識するだけで、
発芽の安定感や、その後の管理のしやすさは大きく変わります。
特に最初のうちは、
うまく育てることよりも、失敗しにくい環境をつくることが大切。
準備をゆるっと整えることが、
野菜づくりを長く楽しむ一番の近道です。



