この記事は、「いい野菜って何?」に悩む全ての人へ向けた対話形式の読み物です。

農業は教材やSNSで見るような理想だけではありません。

「形が揃っていない野菜はダメ?」「自分のやり方はこれで正しい?」そんな不安や疑問を、

タマちゃん(農業初心者)とフルーツリーフ(実践者)の対話を通じて丁寧に解きほぐしていきます。

この対話を読むことで、

• 「いいもの」を追い求めすぎなくていい理由

• 野菜や自分の仕事に愛着を持つ考え方

• 周りと比べない農業の始め方

こうした視点が自然と身につき、

あなたの農業(または農業への関わり方)への見方がやさしく、確かなものになります。

■ 「いい野菜を作りましょう」「いいもの」って、なんだろう?

タマちゃん

ねぇ…。

「いい野菜を作りましょう」って、よく聞くけどさ。

それを聞くたびに、ちょっと苦しくなるんだよね。

フルーツリーフ

ほう。どうして?

タマちゃん

だってさ、

ちゃんとやってるつもりなのに、自信が持てないんだ。

SNSを見れば

形の揃った野菜

きれいな畑

「今年も大成功!」みたいな投稿ばっかりで。

自分の畑を見ると、

「あれ?これで合ってるのかな…」って。

フルーツリーフ

うん、その感覚。実は、かなり多くの人が抱えてるよ。

■ そもそも「悪い野菜」って何だろう?

フルーツリーフ

じゃあさ、聞いていい?「悪い野菜」って、どんな野菜だと思う?

タマちゃん

えっと…

形が悪い

虫に食われてる

規格に合わない

売れないやつ…かな。

フルーツリーフ

なるほどね。

じゃあさ、最初から

「今日は悪い野菜を作ろう」

って畑に立つ人、いると思う?

タマちゃん

…いないね。

そんな人、見たことない。

フルーツリーフ

だよね。

誰だって

「ちゃんと育てたい」

「いいものを届けたい」

って思って畑に立ってる。

それでも現実は、

• 雨が続いたり

• 暑すぎたり

• 風で倒れたり

• 虫にかじられたり

思い通りにならない。

タマちゃん

うん…

頑張った分だけ、凹むときもある。

■ 規格外は悪いもの?

タマちゃん

正直さ、

形が悪い野菜が出るたびに

「失敗した」って思っちゃうんだ。

捨てるときなんて特に。

野菜じゃなくて、

自分を否定してる気分になる。

フルーツリーフ

それ、すごく真面目だからこそだね。

でもね、

それって本当に「悪いもの」なのかな?

タマちゃん

…うーん。

フルーツリーフ

形がいびつでも

少し虫にかじられていても

味がちゃんとしていて

栄養があって

「それでも欲しい」って言う人がいる。

それなら、それは

誰かにとっての必要なものなんだ。

タマちゃん

たしかに…。

見た目だけで決めてたかもしれない。

■ 野菜にも、生産者にも「あいきょう」がある

フルーツリーフ

むしろね、

そういう野菜に

「畑の空気」

「作った人の顔」

「その年の物語」

「旬の物の感動」

を感じる人もいる。

タマちゃん

それって…

野菜の“あいきょう”みたいなもの?

フルーツリーフ

そう。まさにそれ。

完璧じゃないからこそ

伝わるものがある。

野菜にも

生産者にも

ちゃんと、あいきょうがある。

■ 「いいものを作る」ことに縛られすぎていないか

タマちゃん

じゃあさ、

「いいものを作る」って、

そこまで追い詰めなくていいのかな

フルーツリーフ

うん。

いいもの“だけ”を作ろうとしなくていい。

ただしね、

これは大事だから言うよ。

適当でいいって意味じゃない。

タマちゃん

そこ、よく誤解されそうだね。

フルーツリーフ

そう。

農業ってさ、よく

「ブラック企業みたいだ」

なんて言われることもあるよね。

時間の概念があると、できない仕事だ、って。

タマちゃん

たしかに…。

朝も夜も関係ないし。野菜に休みはないもんなー

フルーツリーフ

でもね、言い換えれば

好きな時間にやれる仕事でもある。

問題は、そこに

「自分だけの自由」を持ち込んでしまうこと。

タマちゃん

どういうこと?

フルーツリーフ

まずは人を雇うことはないと思うけど大事なことだから言っておくね。

自分のペースで動いているつもりでも、

周りの人を振り回してしまっていることがある。

特に

家族。

タマちゃん

…耳が痛い。

フルーツリーフ

家族って、つい

「無償で手伝ってくれる存在」

みたいに錯覚しがちなんだ。

でもそれは、

好意であって、義務じゃない。

タマちゃん

当たり前なんだけど、

忙しくなると忘れがちだね。

フルーツリーフ

そう。

そしてもう一つ、もっと気をつけたいのが

人を雇うとき、手伝ってもらう時。まだ雇うことはないと思うけど覚えてて。

タマちゃん

ああ…。

フルーツリーフ

正直に言うね。

自分一人で、限界までやり切った経験がないまま

人を雇うのは、危ない。

タマちゃん

ブラックって思われやすいの、そこか。

フルーツリーフ

そう。

自分がどれだけ大変かを知らないまま人を雇うと、

働いてくれる人のしんどさが分からない。

すると、無意識のうちに

「お金を払ってるんだから、働いてもらって当然」

って感覚になりやすい。

タマちゃん

…それ、見たことあるかも。

フルーツリーフ

本当は逆なんだよね。

自分が

やり込んで

やり込んで

やり込んで

それでも

「一人じゃ足りない」

ってところまで来て、初めて人を頼む。

タマちゃん

その順番が大事なんだね。

フルーツリーフ

うん。

そうすれば、

働いてくれる人への感謝『本当に来てくれてありがとう』と心のそこから感じられるよ。

段取りの大切さも

無理をさせていないかも

ちゃんと分かる。

タマちゃん

「いいものを作る」って、

野菜の話だけじゃないんだね。

フルーツリーフ

そう。

働く環境も含めて「いい農業」。

だから、

追い詰めすぎない。

でも、雑にもしない。

自分にも

周りにも

誠実であること。

それが、

「いいものを作る」ってことの

もう一つの意味だと思うよ。

だからね、

人を雇うことは、本当にきちんとしなきゃいけないところなんだ。

ここは

気合や根性論で済ませちゃいけないし、

「農業だから仕方ない」で片付けていい話でもない。

タマちゃん

たしかに…。

軽く考えちゃいけないよね。

フルーツリーフ

うん。

だからこの話は、ここでは深追いしない。

ゆるっと農業塾の「売り上げアップ編」で、

• いつ人を雇うべきか

• 雇わなくていい形の売り上げの作り方

• 人を雇うなら、どこを整えてからか

• うまく働いてくれない理由とは

• どんな人を雇えばいいの?

そういうところまで含めて、

ちゃんと時間をかけて話すつもり。

タマちゃん

なるほど。

売り上げの話と、ちゃんとセットなんだね。

フルーツリーフ

そう。

人を大切にできない形の売り上げアップは、

長く続かないからね。

そして、野菜は誰に売る?

タマちゃん

え?誰かに?だよね?

フルーツリーフ

そう、皆んなにだよね、

つまり、他の人の気持ちを考えれる生産者になれるんだ。

売り上げアップには自己満足じゃなく、買ってくれる人を心から大切

にしていると自ずと売り上げアップにたどり着くよ。

■ 努力は、ちゃんとやる。でも

フルーツリーフ

農業は

• 勉強する

• 予習する

• 復習する

• 対策を考える

これは絶対に必要。

タマちゃん

努力は手を抜かない、と。

フルーツリーフ

そう。

でもね、ここで多くの人がハマる落とし穴がある。

■ 不安になると「高いもの」を買いたくなる

タマちゃん

…もしかして。

フルーツリーフ

そう。

「不安になると、高いものを買いたくなる」。

タマちゃん

わかる…。

高額な肥料

最新資材

いい土地

高額なハウス

「これを使えば解決するかも」って。

フルーツリーフ

否定はしないよ。

高いものは、高いなりの効果がある場合もある。

でもね、

最初からそれを使う必要はない。

不安を

買い物で埋めなくていい。

もう一つ、大事なことがある。

高いものに頼り始めると、

少しずつ

自分で考える力や

やり抜く力が削られていく。

タマちゃん

削られる…?

フルーツリーフ

「これを買えば何とかなる」

「お金や“いいもの”が解決してくれる」

そう思うようになると、

考える前に、周りの人や環境、自分ができない言い訳、を探すようになる。

工夫する前に、比べるようになる。

タマちゃん

ああ…。

フルーツリーフ

そうしているうちに、

気づいたら

最初にやりたかった農業と、違うことをしている。

僕はね、

そうやって農業をやめていった若い人を、

何人も見てきた。

タマちゃん

…。

フルーツリーフ

悪気があったわけじゃない。

むしろ、真面目で、熱心だった。

でもいつの間にか、

自分の農業じゃなく、

他人からどう見られるかや、お金だけの為、人の目を気にして農業をしてしまっていた。

タマちゃん

キラキラして見える世界の、ってこと?

フルーツリーフ

そう。

お金がある人

設備がそろっている人

派手に見えるやり方

そこに合わせようとして、

もがいて、苦しくなって、

最後は「向いてなかった」と言って去っていく。

タマちゃん

…それ、つらいね。

フルーツリーフ

本当につらいよ。

それぞれスタートの環境が違うから周りと比べる必要なんてない。

だからね、

最初に育てるべきなのは、

いい設備でも、いい資材でもなくて、

最終的に自分で考える力と

やり抜く力なんだ。

それがあれば、

足りないものがあっても前に進める。

辛い時でも、失敗しても、立て直せる。

タマちゃん

たしかに…。

それがないと、何が起きても周りや環境のせいにしてしまうのか。

フルーツリーフ

そう。

農業は、

「いいもの」や

「お金」がやってくれる仕事じゃない。

最後に畑に立つのは、

いつも自分と信頼できる仲間だからね。

■ 情報が多すぎて、動けなくなる人へ

タマちゃん

でもさ、

本を読めば言ってることが違うし

人に聞いても正反対のこと言われるし…。

何を信じたらいいか、分からなくなる。

フルーツリーフ

うん。

勉強熱心な人ほど、混乱する。

だからこそ、まずはこれ。

■ 基本に立ち返る

フルーツリーフ

• 土を見る

• 作物を見る

• 天気を見る

• 自分の畑の癖を知る

• 経験のある人に聞く

新しいものを追いかける前に、

今ある環境を理解すること。

実は物凄く大事な事。

・経験のある人に聞く

は売り上げアップ編(誰に聞けばいいの?)で詳しく教えるね。

聞き方、聞く人を間違えると結構大変になるんだ。

タマちゃん

なるほど…。

道具より、目と経験か。

フルーツリーフ

そう。

自分の畑は、世界に一つしかないからね。

■ 収入の話になると、急に苦しくなる人へ

あとさ…。

お金の話になると、現実が重くなる。

いきなり

「月20万」「30万」って言われても、

正直ピンとこなくて。

フルーツリーフ

それも、よくある。

だから僕は、

まずは月5万円でいいと思ってるんだ。

タマちゃん

…それ、すごく救われる。

フルーツリーフ

いきなり完璧を目指さなくていい。

一歩ずつでいい。

タマちゃん

でもさ、

「じゃあどうやって売り上げ作るの?」ってなると、

また急に難しく感じるんだよね。

フルーツリーフ

うん。

だからゆるっと農業塾では、

いきなり大きな話はしない。

タマちゃん

どういうこと?

フルーツリーフ

例えばね、

• 野菜の良さがちゃんと伝わるポップの作り方

• 規格外も活かせる売り方の考え方

• 加工・体験・直売につなげる6次産業化の考え方

そういう

「今あるものを、どう届けるか」

ってところから一緒に考えてる。

ポップ作成・6次産業化の考えは売り上げアップ編で詳しく勉強しよう!

タマちゃん

売り上げアップって聞くと、

もっとガツガツした話かと思ってた。

フルーツリーフ

よく言われる(笑)

でもね、

無理に作る量を増やしたり

高額投資をしたりする前に、

伝え方を整えるだけで変わることって、実は多い。

タマちゃん

それなら、怖くないかも。

フルーツリーフ

ゆるっとでいい。

ちゃんと地に足つけて、

続けられる形を一緒に探す。

それが、この塾のスタンス。

■ 一人で抱え込んでしまう人へ

タマちゃん

正直、

失敗した話って、あんまり人に言えないんだ。

フルーツリーフ

うん。

みんな、うまくいってるフリをするからね。

でもね、

失敗も

迷いも

立ち止まる時間も

全部ひっくるめて、受け止めて農業だよ。

大丈夫、ゆるっと農業塾で相談できる場所もあるからね。

一緒にみんなでゆるっとやっていこう!

■ 過程そのものが、価値になる

フルーツリーフ

いいものを作ることだけをゴールにしない。

失敗も含めて、積み重ねる。

その過程そのものが

農業であり

生産者の喜びなんだと思う。

タマちゃん

なんか、肩の力が抜けた。

「完璧じゃなきゃダメ」って思ってた。

フルーツリーフ

完璧じゃなくていい。

でも、誠実であればいい。

それが、

本当の意味での「いいもの」なんじゃないかな。